かろやかに遁走する
青春でなくとも、人生はかろやかに迷走する。
身軽に、なにひとつ持たずに生きてきたし、それはきっとこれからもそうだろう。
わたしは、ついぞどこにも根を張れなかったのだ、と繰り返し繰り返し韜晦しながら、ふらふらと流れて、ちぎれた雲にも似た、寄る辺ない暮らしを一体いつまで続けるのか。
こんな生き方を、いつまで?
どのようにせよ、どこにも、ひとつのところには留まれなかったのだ。安息の地はなく、もはや帰る場所もない。こんな生き方には、誰も付き合わせられなかった。
次はどこへ?人生は旅だというが、旅から旅へ、こんな生き方をいつまで、と。
嘯きながら、まだもうすこし、やれるだけやってみるよ。
ねえ、どうせ跳ぶなら綺麗に跳んでみせるから、どこかで待っていてね、先輩。