ミトコンドリアは取り込まれた
宿主に取り込まれたミトコンドリアはどんな気分だったんだろう?
自由を失うかわりに宿主の庇護の下にはいって、安寧をえられたのだろうか?
広大な海をただよう孤独からは解放されたのだろうか?
それとも囚われたような気分になったのだろうか?
わたしの性格はよく反転する。なにが自由か識っているわたしと、宿主のようななにかに囚われたがるわたしのふたりが拮抗する。
いつか、この限りない振り子の動きが弱まって中間地点で止まれば、と思いつつ、同時に、
ああ、中庸なんてそんなものに膝を屈するわけにはいかないと、矛盾をはらみつつ、そう思ってしまうのだ