世界中のダルちゃんへ。
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世界中のダルちゃんへ。
あなたのふつうと、わたしのふつう。
それは少しずつ、だけど、確かに違う。
誰かのふつうをあなたのふつうにする必要はない。
皆が皆、じぶんのつくった籠のなかに生きているのだ。ふつうなんてどこにもない。
皆が皆、平均値と外れ値と、ふつうと異質のあいだをゆれながら生きている。
だからこそ、だれかと一瞬ふれあう火花のような一瞬が尊い。
ゆらぐ波形の呼吸が一瞬だけあう刹那を、わたしは奇跡と呼び、信じたい。
ダルちゃんは彼と別れてしまったけれど、ただ関係をもったという以上の意味があったんじゃないかな。わずかな間でも。
きちんと、おたがいがおたがいを人として扱えるのだ、と、わかりあえたんじゃないかな。
別れ際の、からだがもがれたような痛みも含めて、生きている証だ。
生きているということは、よろこびとかなしみと、痛みの連続だ。
ダルちゃんは異質で、それでも、どこにでもいる女の子だ。
じぶんが異質でみにくいと感じている女の子たちが、これ以上、悩まずに済みますように。
わたしは、わたしたちは、おかしくても、一部異質でも、世界との周波数があわなくても、チューニングがおかしくても、生きていて、良いのだ。
世界中のダルちゃんへ。
外れ値の果て、異質さの特異点を生きる、ダルちゃんのひとりから愛をこめて。